2010年11月13日

人生に負けて見つけた自分の席

小さい頃から勉強が嫌いだった。

当然、成績は悪い。

高校中退。

好きな絵を描きたくて美大に入学するも

周りの人全員の絵のうまさに圧倒される。



それでも

絵を描き続けた。



好きだから続けた。

負けて負けて

惨めで切なくて悔しくて貧しくて

それでも

絵だけは続けた。



なんでもやった。

断られても断られても

売り込んだ。

絵を続けた。



皆が狙わないようなところにも

どんどん行った。



どんな小さな世界でも

どんなに狭いスキマでも

先行者はいて

自分より絵のうまい人たちばかりだった。



それでも

絵を続けた。

好きだから続けた。

これしかなかったから続けた。



気がついたら

絵の仕事が入るようになった。

絵のうまい人たちは

見えなくなっていた。



さらに絵を描き続けた。

絵の仕事が少しずつ増えていった。

さらにさらに描き続けた。

視界が開けてきた。

自分の前には誰も居なかった。

自分の世界が出来つつあった。



負けて負けて負け続けて

それでも降りずに続けていたら

自分の座る場所がぽっかり開いていた。





サイバラワールドはこうして出来上がった。


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2010年08月19日

な行

ボクがよく行くブックオフは

「な行」の棚に西原理恵子の本が置いてある。

そのつどボクはおせっかいにも

そっと「さ行」の棚に移しているのだが

次に行くと必ず「な行」に戻っている。



ま、それだけの話なんだけど。


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2010年08月02日

きみのかみさま

うちの庭のめじろは おくびょうだ。

いつのまにか いるけど

いつのまにか いなくなる。



大好きなおじいちゃん そっくりだ。



おじいちゃんは ねむくてたまらない。

このままねむらせておくれよ と

いつも言う。



すべては 

みんな 

借りものだから



ながくて

みじかくて

あっとゆう間だ



おじいちゃんは めじろみたいに

ぶつぶついう。



今日はどんな日だったかは

自分のことだから すぐわかる。



たりないことは

お茶を入れるように

ゆっくり

自分でたす。



それから二人で お茶を飲んで

ようかんを食べた。



すべては借り物だ。



また

おじいちゃんが

言った。



◆きみのかみさま  西原理恵子  角川書店





西原理恵子の「きみのかみさま」は

野生時代に「めをとじるまえのこと」というタイトルで

連載していたものを絵本としてまとめたものだ。



上に挙げた作品はそのなかのひとつだが

この絵本の中では唯一貧しさを感じない、

空も海もでてこない、

日本の子供のお話だ。

それゆえ

かみさまも感じない



無常観は感じるが

悲惨さを感じない分

他の話より読んでいて気持ちが沈まない。





西原理恵子の心には

やっぱり埋めがたい哀しみの穴が開いていて

そこからいつも

貧乏という名前の哀しみや残酷が湧き出てくることを

彼女は心配している。



彼女の視線は

世界のどこを旅していても

貧乏というフィルターを通して

子供たちを追いかけている。



自分の子供とか人の子供とかの区別はなく

日本人や外国人という区別もない。



おそらく

子供たちの向こう側に小さい頃の自分が見えていて

今の彼女は昔の自分を救いたいと思っているのだと思う。



だから彼女は

子供にこだわり

せめて子供たちはその哀しみや残酷から守りたいと

一生懸命に手を広げ立ちはだかろうとするのだろう。



だけど

現実は現実として厳然とそこにある。



それならば



彼女は

生きろ、どんなことをしても生きろ

と教える。



生きるための最低限のことは私が教えるから

たくましく生きろ。

生きて、そして楽しめ。笑え。

人生はそのためにあるんだから。



生きていくことはそのことがもうすでに

辛く苦しいものだから

せめて楽しもう笑おう明るく過ごそう

そんな彼女の望みというか

生きてきた中で身につけた知恵を

子供たちに伝えようとしているのではないか。




きみのかみさま




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2010年07月16日

酔いがさめたら、うちに帰ろう。

今日本屋で

鴨志田穣の「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」の文庫を見た。



あとがきは映画監督の東陽一が書いている。

この秋、彼の手によって映画化されるらしい。

キャスティングは浅野忠信、永作博美とのこと。



カモちゃんの実体験は

誰が聞いてもびっくりするくらい凄いものなのに

その実体験に基づいて書かれたこの本は

誰が読んでも

その淡々とした文章に驚くようだ。



どこか客観的に見える文章がその印象の原因だが

それが彼の元もとの持ち味なのか

報道カメラマンという彼のキャリアがそうさせるのか。



誰が見ても

ほとんどノンフィクションとの見方をしてしまう本であるにもかかわらず

わざわざフィクションとクレジットしている意図はなんだろう。

彼の家族に対する愛情なのだろうか。



たまたま

昨日見た西原理恵子の「おサケについてのまじめな話」で

元妻側から見た元夫鴨志田穣のアルコール依存症の様子が書かれているが

どうしてこうも出版のタイミングがあうのだろう。



遺稿集と毎日かあさんのときは

好ましく感じたタイミングのよさが

今回は商売のにおいを感じてしまい

いまいちすっきりしない。



まあそんなことボクが言ってもしょうがないし

ボクが出版する側だったら

そうするかもしれないから

当然といえば当然なんだろうけど

このあたりは微妙なところだなぁ。



それにしても

単行本といい文庫といい

この本「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」だけは

どちらも表紙が好きになれない。




酔いがさめたら、うちに帰ろう。 (講談社文庫 か 86-7)




西原理恵子月乃光司のおサケについてのまじめな話 アルコール依存症という病気



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2010年04月13日

草原のひと

西原理恵子の漫画を見ていると

草原(くさはら)のなかにたたずんでこちらを見ている

という構図が良く出てくる(ような気がする)



たたずんでいるのは

ひとりだったり

ふたりだったりするわけだが

あれは彼女のどんな心象風景なんだろう。



手を伸ばしても届かないもの。

ずいぶん昔に手放したもの。



いずれにしても

満たされない気持ちや

埋めきれない心の穴の深さを感じさせる絵だ。



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2010年02月23日

青いところ

息子と娘と私、3人で海を見る。



「ほら、あの海の一番沖より一つ手前の色

 黒みたいな青い色。

 藍色っていうんだ。

 お母さんの一番好きな色」





私の祖父は漁師で

古いポンポン船で

よく私をあの色のところまで

つれて行ってくれた。



そこで見る黒みたいな青は

中がものすごい速さで動いていて

大きな象のような生き物の上に

乗っている感じ。



やがて

父や祖父が死に

義父やそしていろんな人が

いなくなり

若いころの私は

おいていかれた

とばかり思っていたが



今はあの深い青いところで

待っていてくれているんだな と

思うようになった。



私のお彼岸の色。



◆毎日かあさんA「お入学編」西原理恵子





深い藍色を湛えた水底は

自分の過去や未来を映し出していそうだ。



そこは黄泉返りの世界。



時は止まっていて

死んだ人も未来の人も

一緒にいる。



すべてがわかっていて

それゆえ

穏やかな世界。



魂が体にあるうちは

見ることも感じることも

もちろん

行くこともできない世界だけれど

ときどき

神様のいたずらか

フッと垣間見えたりすることがある。



古来より

それを見てしまった人は

終生そこを夢見ることになるという。






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ウソつき母さん

私はこどものころから

まいにち

小さなウソばかりついている。



たいていはその日のうちにバレて

一日絶交されたり

次の日学校をずる休みしたり。



大きくなっても

そのクセがぬけず

今ではそれが仕事になって

すべてのいろんなことに

たくさん感謝している。



◆毎日かあさんA「お入学編」西原理恵子




苦手を克服しようとするより

得意を伸ばした方が

全体が伸びる。

不思議と苦手も伸びるようになる



聞いたことがある。



どうやらこれは

得意を伸ばすことからくる自信と

関係があるようだ。



人のこころとは不思議なものだ。


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2009年06月13日

だから僕は「アンパンマン」なんですよ。

やなせ先生が言ってたの。



「人間何が辛いって、お腹すいてるのが一番辛い。

 それなのに、世界中のヒーローは飢えを救っていません。

 だから僕は『アンパンマン』なんですよ」って。



◆ダ・ヴィンチ7月号 西原理恵子スペシャルより





スーパーマンもスパイダーマンも悪と戦って

正義や平和を守るけど

今日食べるものがない境遇にいる人たちを救っていない。



やなせ先生はそこをなんとかしたかったんですね。

お腹をすかしている子供たちを何としても救ってあげたい、

その熱い気持ちがアンパンマンを生み出したんですね。



実際、アンパンマンの初期は

空腹な人にパンを届けるというパターンだったようです。



自分の頭(あんぱん)を食べさせては

新しい頭(あんぱん)をパン工場でくっつけて

また別な人に自分の頭(あんぱん)をたべさせる・・・



強いスーパーヒーローより

お腹をすかして困っている人を助けるヒーローを。



そういう作者の願いは

多くの人に受け入れられ

大きな存在に成長しました。





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2009年06月10日

そんな思いをいっぱい抱えて、人は大人になる

絵に描いたような幸せな家庭なんて

どこにもないんじゃないかな。



うちも最初は父親いなかったし

次の父親も

出かけると一週間くらい平気で帰ってこなかったりして

なんか

みんな

いなくなっちゃうなあって。



私の漫画は願い事なんです。



あのとき誰も助けてくれなかったけど

本当はこういうふうに言ってほしかったっていう。



いじめっ子に立ち向かっていける子なんていないよ。

自分のこと振り返ったって

そんな立派じゃなかったよね?



振り返ると思い出すのは

ダメな自分

情けない自分ばっかりで。



さびしかった、

かなしかった、

あの時なにもしてあげられなかった、

そんな思いをいっぱい抱えて

人は大人になるから。




◆ダ・ヴィンチ 2009.7月号 西原理恵子スペシャル より






家庭が家庭の体をなしておらず

常に貧乏の底にあえぎ

友達はごっつい前髪のひさしが出ている人たちで

今となっては皆行方不明で

誰一人連絡がつかない。



学生でありながら

授業には出ず

昼はエロ本のカットを描き

夜はミニスカパブで働く。



こうした生活の中で

いやというほど味わってきた辛い思いと寂しさは

強烈な反骨心と自分の力とお金の力を何よりも信じる心を

作り上げた。



しかし

彼女のすごいところは

それらの殺伐としたエピソードを笑いで包んだり

ほしくても叶えられなかった「あたたかい家庭」への願望を

とても素直に表現したりする

ふり幅の広さにあると思う。





「戦場は実に戦場らしくない」と

元夫の鴨ちゃんは言っていたという。



隣で砲撃があろうと

商店街のオヤジは絶対に店を閉めない。

野菜炒めに味の素をいつもの倍入れて

お客さん、今日はサービスだよって。



アフガンやコソボ

そういうキツイところでも

人はこんなに笑って生きてるよっていうのを

彼女は一番大事にしているという。



そして

彼女の読者にも

漫画を通じてキツクても笑ってほしいと

願っている。



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2009年04月13日

大好きな人の子供時代を、どれくらい知っていますか?

さよなら。

わたしたち

とても短い恋をしたの。

あんまりにも短い恋だったから

わたし もう一度あなたに会いにきたの。



いけちゃん ぼくのこと知ってるの?



ほんとうはね

わたしたちが最初に会えるのは

もっともっとさきのことなんだけど。



忘れないでね

好きだと きっと帰ってこられるの。



◆映画「いけちゃんとぼく」(西原理恵子原作)より






あなたの好きな人は

あなたと出会う前

どんなことを考え

どんな毎日を送っていたのでしょう。



そして

どういう運命の巡り会わせで

あなたと出会うことになるのでしょう。



知りたくありませんか?



西原理恵子の「いけちゃんとぼく」は

そんな誰もが胸に秘めている

好きな人への思いをやさしく描いた物語です。



絶対泣ける本第一位 のこの物語は

西原理恵子の才能の幅を

あらためて世に知らしめた記念すべき作品です。



毎日かあさん や ぼくんち でも

似たテイストは感じることができきますが

そのエッセンスが

思いっきりギュッと濃縮されているのが

いけちゃんとぼく だと思います。



6月20日からの公開が決まったということで

いまから楽しみです。



ただひとつ残念なのが

静岡ではチケットの前売りをしないので

前売り券限定の「いけちゃんストラップ」が

手に入らないこと。

なんとかならないものだろうか。


.
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2009年03月20日

出会い

食事も終わり皆席を立った頃

彼女はそっと近づき

小さなメモ用紙を渡してよこした。



「滅多にないことなの」

そう言い残し女性の輪に加わりに走っていった。

メモには彼女の私用の電話番号が書かれてあった。



丁度一年後。

僕たちはアマゾンで一緒に仕事をしたのだ。

取材も終わり、日本へ帰る機中

一人ビジネスクラスにいた彼女が

「一人じゃ寂しいの」

そう言って自分の横に座った。

「いろいろ考え過ぎるんだよ」

僕はささやきながら彼女の手を強く握りしめた。

それから二人はずっと手を離すことはなかった。(絶筆)



◆遺稿集(鴨志田穣著 講談社)邂逅より



今日は

鴨志田穣さんが亡くなって2年目。

西原理恵子さんのブログには

お墓参りの記事が。



たくさんの作品をありがとう。

合掌。
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2009年03月09日

わが家の 八歳の太郎が父を見て かける似顔は泣顔をする

与謝野鉄幹は

明治29年に詩歌集「東西南北」を出して

和歌革新に乗り出し

与謝野晶子や石川啄木などを育てた

近代短歌の大功労者。



しかし、弟子達があまりに大きく育ったからか

晶子たちにスポットライトが当たってからは

注目度がぐんと低くなった。



その鉄幹が本名の寛に戻って出したのが

明治43年の「相聞」(「あいぎこえ」と読む)。

表題の歌はその中に納められている。



この時期の寛は

全国の文学青年の注目を浴びた「明星」が

時代の関心から外れて

明治41年に終刊となり

晶子の人気はうなぎのぼりなのに

自分には仕事が来ず

庭でアリを殺して時間をつぶしていたというエピソードも

残っている。



わが家の 八歳の太郎が父を見て かける似顔は泣顔をする



泣顔の父を描く。

かなり珍しいケースだが

この頃の寛は

先に記したような状況であったから

憂悶の日々が隠しようもなく顔に出てしまって

子供の素直な目には

泣顔と映ったのだろう。



◆詩歌逍遥 三枝昂之  静岡新聞3月8日





・自らが表現者である。

・しかし、同業の妻の方が有名でかつ稼ぎも多い。

・子供を愛している。



こうした与謝野鉄幹の苦悩の理由を並べて見ると

鴨志田穣を思い出す。



男が女房に食わせてもらうという

いわゆる髪結いの亭主状態は

昔から世間では珍しいことではないとは言え

本人のプライドは痛く傷ついていることが多い。



西原理恵子と出会う前から

かなりの酒びたりだったとは言え

鴨志田穣が酒で身体を壊した理由のいくばくかは

そのあたりのジレンマもあったのではないかと思う。




子に見られる寛は泣顔だが

子を見るときの寛はのびやかに親バカぶりを示している。



わが次郎 あぐらを組めば斧を持つ

    人形のごとく ひざぼしが出る




あぐらをかけば膝小僧が出るのは当たり前だが

それが金太郎のように頼もしいとするあたりに

親バカぶりが表れている。



いろいろあったとはいえ

寛にとっての心のよりどころは

妻と子ども達にあったことは間違いない。



同様に

鴨志田穣にとって妻と子ども達は

かけがえのない宝物であり

生きることのモチベーションであったことは間違いない。



もうじき鴨志田穣が亡くなって2回目の3月20日が来る。



.

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2009年03月08日

パーマネント野ばら

最初に娘をみたとき

空豆の夢をみた。



どことも知らない空の上に

空豆があって

のぞくと

私の娘が入っている。



みわたすと

まわりは

たくさんの空豆で

私は

私の空豆をみつけることができて

うれしくてしかたがない。








「ほら

 なおちゃんが前にしてくれたやろ、空豆の話。

 私とダンナは

 同じサヤの中におったんとちがうやろかって

 そん時思うたの」



夜の街を歩いた。



たくさんの明りが

今日のみっちゃんの話にだぶって

いろそらまめにみえる。



「あなたは私の空豆だと思う」



そう言ったら

返事はキスだった。



私はいい年をしたおばさんで

みんながこの恋をわらうだろうとおもうけど

私は私の空豆をみつけることができて

うれしくてしかたがない。



◆パーマネント野ばら  西原理恵子  新潮社





もうじき鴨志田穣さんが亡くなって2回目の3月20日がくる。



そんな今日

本屋で「パーマネント野ばら」の文庫を見つけた。

文庫で出たんだ と手にとってパラパラとみた。



空豆の中にみつけた娘は西原の娘でもあったのだろうか。

そして

おとなになってみつけた空豆に

カモちゃんと二人で入っている自分を

西原はみつけたのだろうか。



.




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2008年12月19日

天の空豆

P1010118.JPG


この子は、どっからきたんだろう。



さいしょにこどもをだっこした時に

そう思ったら

私の頭の中に

たくさんの空豆がふってきた。



ゆっくりおりてきた

その空豆をのぞくと

なかにはみんなこどもが入っていて

「まだかな まだかな」って顔をしている。



あのたくさんの空豆を

今でも

よく思い出す。



世界中の女の子のところに

ふっていく空豆



女の子はお母さんになって

おかえりなさい。の待つ家に

みんなが帰っていく。



◆毎日かあさんD 黒潮家族編  西原理恵子




今、西原理恵子の

「この世でいちばん大事な『カネ』の話」を読んでいる。



「ぼくんち」で描かれている彼女の子供時代の話から

絵を描き始めた頃やギャンブルの話など

「カネ」を中心にすえて

彼女の考えを語っている。



そう、書いているのではなく

語っているのだ。



僕は読みながら

理恵蔵さんが耳元でやさしく話してくれている気がした。

それも珍しくマジメに。



彼女にとっては、「カネ」は「命」であり

「生きること」そのもの。

そして、それは「働くこと」でもある。

なぜなら

そうすることで

家族を守れるから。

家族を幸せにできるから。


◆この世でいちばん大事な『カネ』の話  西原理恵子


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2008年12月15日

日本はじっこ自滅旅

P1010095.JPG



こういうことってあるんだね。


お墓参りを終え

自宅に向かいながら

通過する街のブックオフをのぞいて行った。



3つ目の街のブックオフで

唐突に出会った。



カモちゃんの「日本はじっこ自滅旅」に。



あれだけあちこち探して無くて

本屋の取り寄せにも「無い」と言われ

いよいよネットしかないな・・・と

あきらめていたから

この突然のめぐり合わせには

なにかサムシンググレイトを感じる。



お墓参りの後だけに

よけに説得力あるなあ。



日本はじっこ自滅旅日本はじっこ自滅旅
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[タイトル] 日本はじっこ自滅旅
[著者] 鴨志田 穣
[種類] 単行本
[発売日] 2005-03-24
[出版社] 講談社

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2008年11月23日

ずっとまえのこと

P1000755.JPG



小学校一年生の時の木の机は

教科書を入れるとこがニスがぬってなくて

つめで にいっ ておすと

へこんで模様ができるのが好きだった。



「はい、この問題のわかる人」

びっくりして先生を見ると

黒板にはナゾの言葉がかいてある。



みんなが手をあげるので

私もおそるおそる手をあげる。



「できた人から帰っていいです」

先生はいっつもそう言う。

私はいっつも最後までのこる。



のこる子は三人。

ウソばっかりついてきらわれもんの女の子。

いつも大声出して大きい石なげる男の子。

それと、私。



「どこがわからないの」

と先生は聞く。



「わからないとこがわからない」

この言い方が一番正しいとわかったのは

ずいぶん大人になってから。



何を言っていいかわからないし

何を聞けばいいかもわからない。



のどに小さな石がたくさんたまって

あつくなって

まばたきをすると涙が落ちてはずかしいので

下をむいてうごけない。



家に帰るとお母さんが怒る。

ものすごく怒る。

ごはんの前からおフロのあとまで

ものすごく怒る。



おぜんにすわって問題を読みなさいと怒る。

わかるまで何回でも読みなさいと怒る。



でも

何をかいているのかちっともわからない。



私は

これが

高校三年で学校をやめるまでの11年と半 続きました。



私は

いいつけも十回言われたら

半分くらいは守ったし

ウソもそんなにつかなかったし

何よりも外で遊ぶのが大好きな

とても明るい子で

あんなにながくおこられ続けるほど

悪い子じゃなかったと思う。



私は

できる子の気持ちはわからないけど

できない子のきもちはよくわかるので

できない子をできないまま育てるのは

きっと人よりうまいと思う。



◆できるかなリターンズ  西原理恵子  扶桑社





西原理恵子の原体験とも言うべき

この幼少時代が

彼女の作品の作風や私生活(特に子育て)に

色濃く反映していることは

間違いない。



中村うさぎをして「尻子玉を抜かれた」と言わしめるほどの

強烈な反骨精神と迫力。



納税額を巡って

税務署と真っ向対立して一歩もひかない

金への執着。



小さなものへの限りない慈しみ。



その過激さに時に笑い、辟易し

そのやさしさに時に涙して共感する。



彼女の個性でもある過剰なまでの愛憎は

この時代にでき

以来脈々と彼女の中に息づいている。



それゆえ西原理恵子は猛毒だ。



だから

「ああ、そういえば、このごろ

 カモちゃんの笑った顔を描いてないなぁ」

などとポロッと言われて

うんうん、そうだね、笑った顔描いてあげなよ

などと答えつつ

つい近づきすぎて

パクリとFXなんぞに食われないようにね。



できるかなリターンズ (角川文庫)できるかなリターンズ (角川文庫)
販売元 : Amazon.co.jp 本
価格 :
[タイトル] できるかなリターンズ (角川文庫)
[著者] 西原 理恵子
[種類] 文庫
[発売日] 2004-01
[出版社] 角川書店

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2008年10月16日

赤パンツ開運法

P1000232.JPG



本屋で「赤パンツ開運法」という本を見つけた。



パラパラと見ると

多くの有名人や一般の方が

赤いパンツを身に付けただけで

「金運がよくなった」

「五十肩が治った」

「仕事が順調になった」などなど

お約束の事例が紹介されていた。



そういう事例を読むと買いたくなるというのが

俺のお約束なので

さっそく本屋からカミさんに

「赤パンツ欲しい」とメールをしたら

「ハァ?自分で買いな」とあっさり拒否。



そういえば

西原理恵子がカモちゃんとのことを

「あんたのパンツ買うのに抵抗を感じるようになったら

 私たちは終わりだね」みたいなことを書いていたのを思い出した。



バラッチ風に解釈すれば

「私たちはすでに終わっているッ」ってことか。



なんとなく股間にスキマ風を感じながら

本屋を後にした。




今日はいい天気だった。

近所の見晴らしのいい場所からパチリ。



空は晴れても心は・・・


.




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2008年09月21日

本を探しに

「お父さん・・・」

沈黙の後、彼女が重い口を開いた。

「もうわかっていると思うけれど、私、離婚したいの」

「ああ、いいよ。俺が一方的に悪いんだから」



また、一人ぼっちになってしまった。



お茶を飲もうとコップを握ると、手がふるえ、こぼれた。



「精神科医から聞いたの。私たちは共依存なんですって。

 一緒にいてもだめになるばかりなの。

 添え木が二本寄りかかり合っているだけなの」

「わかった。別れよう」



そこから耳が聞こえなくなった。


◆鴨志田穣 著「続・ばらっちからカモメール 最後のラブレター」





多いのか少ないのか、四十年のいのちの中で

八回骨を折っている。



昨年から今年にかけて、五回吐血した。



それでもなお、生き続けていると、離婚された。



先日、友人から電話が入った。


「いやあ、酔っ払い運転してて、事故ったべさぁ。

 1ヶ月入院してたぁ。

 片腕もげそうになってさあ、いやあ、あぶなかった」


「まだ、生きてんじゃあねえか。

 誰でもそうだけど、死ぬ時は“スパン”と死ぬよ」


「そうなんだよなぁ。

 入院中、ベッドの上で考えたさ。

 人間は何かに生かされてるってなあ」


「そうさ、何かに生かされてるんだ」



◆「続・ばらっちからカモメール 最後のラブレター」あとがきより








ここ数ヶ月

鴨志田穣の「日本はじっこ自滅旅」をさがしてきた。

地元の本屋にはなかった。

オンラインはあまり好きではないので

熱心に検索したわけではないけれど、なかった。



ということで

ちょっと遅い夏休みをかねて

今日から2泊3日で本探しの旅に行くことにした。



観光でもなく、食べ歩きでもなく

読みたい本を探すためだけに2泊3日でお出掛け。



うれしくてワクワクする。



行き先は、あえて東京を避けた。

知らない街の初めての本屋がいいから。



昼間、ネットで候補地の本屋を調べた。

蔵書40〜50万冊の本屋が3店。

大規模な古書店が3店。

それ以外は現地で情報収集して動く。



行けば、目当ての本だけ探して店を出るなんてことは

絶対ないから

2泊3日でこんなもんだろう。



西原理恵子が

「どこに行きたい人なんだろうねえ」と描いたカモちゃんをさがしに

行くので

23日までブログ休みます。


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2008年09月05日

戦場カメラマンの唄

鴨志田穣・西原理恵子ラストコラボレーション



昨年の3月に亡くなって早1年半。

鴨志田穣が生前病床で書き置いた5篇の詩に

アーティスト達がメロディをつけ

そこに西原理恵子の書き下ろし漫画を加えたCDブックが

9月24日発売される。



当たり前だけど

もうカモちゃんの作品は見れないと思っていただけに

これはうれしい。



それも西原理恵子とのコラボという強力版で

しかもCDブックという意外性!



まさに

そう来たかッっていうヤツだな。



カモちゃんが書いた詩がどんなものか

早く見てみたい。



なかでも

「大切な人」というタイトルの詩は

妻と子供たちのことだろうから

余計にその内容が気になる。



東名阪でサイン会もやるらしい。

もちろん本人ではなく、西原理恵子が。

ちょっと気になるな。



西原理恵子の公式HPに載っている表紙写真のタイトル文字は

「戦上カメラマンの唄」と手書きで書いてあるが

アマゾンで紹介されている表紙は

「戦場カメラマンの唄」となっている。



おそらく

「戦上カメラマンの唄」はカモちゃんの自筆ではないか。

書き直しができないので

販売される本は、西原理恵子が書き直したのではないだろうか。



死んでなお

僕らを楽しませてくれるのも

ファンからすればうれしいかぎりだ。


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posted by 昨晩 at 00:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 西原理恵子関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年08月31日

人生に負けて見つけた自分の席

勉強が大嫌いで

小中高とずっと落ちこぼれだった。

高校は中退した。



どこにも自分の居場所はなかった。



それでも

好きな絵を描きたくて進んだ美術学校。



でも

まわりは全員自分よりはるかに絵のうまい人ばかり。



めげながらも

卒業後も就職せず

アルバイトしながらずっと絵を描き続けていたら

いつのまにか少しづつ声がかかり始め

気がついたら自分の場所が出来上がっていた。




西原理恵子作のこの句から

何がしかの人生訓を汲み取ることは簡単だが

実際に彼女が歩いてきた道は

普通の人とはかなり違うと思う。



どのくらい違うかと言うと

普通の人から見たら

かなり逝っちゃってる中村うさぎが

西原理恵子についてこんな風に書いている。



*****



強烈・・・。

尻子玉抜かれました。



あの雰囲気。

あれは違いますよ、見たことのないオーラだった。



極道の愛人に会ってしまったという感じで。

それも広域系の暴力団。

そんじょそこらのヤンキーではなくて。

映画で言うなら岩下志麻のポジション。



「私はほんまもんの地獄を知ってらぁ」って感じ。

あの威圧感は、少し分けてほしいくらいだった。



私が西原さんみたいになるまでには

今まで生きてきた43年間の間に起きたイヤなことが

一年で起こるくらいの地獄を見ないとダメでしょう。



*****



どこまでがリアルで、どこからがネタなのか

ぼかしながらのサイバラワールドではあるが

とにかく

彼女はその道を歩んできたからこそ描けるマンガでもって

自分の地位と評価を築いた。



常識やルールに縛られず

お金と勝つことに執着するその感性で描かれたマンガを

これからも僕は楽しみ続けたい。




西原理恵子と仲がいい岩井志麻子も

似た匂いの持ち主だ。

それぞれこだわるところは違っていても

過剰なところはソックリだ。



類は友を呼ぶと言うべきか。


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posted by 昨晩 at 13:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 西原理恵子関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする